インテントマーケティングとインテントセールスは、いずれも「インテントデータ(顧客がWeb上で示す購買意図の行動データ)」を起点にしますが、担うフェーズが異なります。インテントマーケティングは認知〜検討段階の潜在顧客を育成する施策、インテントセールスは購買意図が顕在化した相手へ営業が直接アプローチする手法です。本記事では、両者の概念と違い、相乗効果、そしてウルテクやSales Markerなど国内主要サービスの特徴・料金を2026年版として解説します。インテントデータそのものの基礎はインテントデータとはをご覧ください。
この記事でわかること
- インテントマーケティングとインテントセールスの定義
- 両者の違い(担うフェーズ)と組み合わせによる相乗効果
- インテントマーケに特化した国内主要サービス
- インテントセールスに特化した国内主要サービスと料金の目安
- 導入を検討する際のポイント
インテントマーケティングとは
インテントマーケティングは、顧客の検索行動やWebサイト閲覧行動などから購買意図を推測し、最適なコンテンツや広告、コミュニケーションを提供してリードの育成や商談化を促進するマーケティング手法です。従来の「とにかく大量に露出」する手法とは異なり、ユーザーが示すシグナル(インテント)に基づいて企業単位でのアクセス解析やデータドリブンな戦略設計、パーソナライズされた施策を打てる点が最大の特徴と言えます。
- 未顕在層のニーズを捉える
Web検索や関連コンテンツの閲覧をきっかけに、まだ明確に購買を検討しているとは限らない層の潜在ニーズを発掘できる。
- 認知から商談創出まで効率的
「いまこのタイミングで関心を持っている」潜在顧客を見逃さず、効果的にアプローチできるため、マーケティング活動のROIが高まりやすい。
- ABM(アカウントベースドマーケティング)と相性が良い
特定のターゲット企業(アカウント)ごとに検討状況を把握し、ピンポイントで施策を打てるため、高単価商材を扱うBtoB企業にとって有用性が高い。
インテントマーケティングに特化した国内主要サービス
ウルテク
- 提供企業:ログリー株式会社
- 概要
URUTEQ(ウルテク)は、企業単位の行動データを統合・分析して「いま購買意欲を示しているかもしれない潜在顧客」を可視化するアカウントインテリジェンスツールです。
自社サイトへの訪問履歴だけでなく、外部サイトでの検索・閲覧動向を独自に連携することで、匿名ユーザーのインテントを捉えて広告配信や見込み度の高い企業リスト作成が可能になります。
- マーケ向け機能
- 潜在顧客の可視化:サイトにタグを1行挿入するだけで、訪問企業・匿名ユーザーの基本属性や関心キーワードを可視化。
- ターゲティング広告連携:ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」と連動し、サイト訪問履歴がある匿名ユーザーに対して追加コストなしで広告配信を実施。
- 検討度合いのスコアリング:閲覧ページの種類や閲覧頻度を指標化し、“いま熱いリード”を抽出。
- 料金
- 月額15万円~(契約は半年単位)
- 15日間の無料トライアルあり
Marketing Marker(マーケティングマーカー)
- 提供企業:株式会社Sales Marker
- 概要
2024年にリリースされた国内初のインテントマーケティング特化SaaS。自社が既に保有しているリードデータ(MAやCRMに蓄積された見込み客)だけでなく、全く新規の潜在リードに対しても「いまどんな課題を検索しているか」を可視化し、購買意欲が高まったタイミングで最適なマーケ施策を自動実行できます。
同社の営業向けツール「Sales Marker(セールスマーカー)」との連携により、マーケティングからセールスまでの一連のプロセスをシームレスに管理できる点が強みです。
- 特徴的な機能
- リアルタイムインテント検知:設定キーワードでの検索行動を素早く捉え、マーケ担当者に通知。
- スコアリングと施策実行:検索頻度や比較サイト閲覧などのデータを元にスコアリングし、特定の閾値を超えた時点で自動メール配信や広告出稿を実行。
- 営業連携:Sales Markerと連携し、商談化が見込めるリードを瞬時に営業へパス。
- 料金
- 公式サイトに具体的な価格公開なし(問い合わせベース)
インテントセールスとは
インテントセールスは、顧客の検索キーワードや競合製品比較など具体的な「購買意図」を示す行動データを起点に、営業担当者が最適なタイミングで直接アプローチする手法を指します。従来の「電話営業」「メール営業」でリストを大規模に消化する方法とは異なり、購買意欲が高まっている相手を狙ってピンポイントにコミュニケーションを行うのが特徴です。
- 狙い
- 商談化率・受注率の向上:ニーズが顕在化し始めたタイミングで接触するため、打率が上がりやすい
- 営業効率の改善:興味のない顧客への無駄なコールドコールを減らし、時間と労力を節約
- 活用シーン
- BtoBでの高単価商材のアプローチ
- マーケから引き継いだリードのフォロー(インサイドセールス連携)
- 競合製品と比較検討されているタイミングでの差別化提案
インテントマーケティングとの違い
- マーケティングが担うステージ
インテントマーケティングでは、「認知~検討~興味喚起」といった前段階のユーザー行動を捕捉し、情報提供やコンテンツ発信によって見込み客を育成します。
- セールスが担うステージ
インテントセールスは、ある程度ユーザー側のニーズが明確になり、「具体的な商談を行う準備ができている」状態をリアルタイムで捉えて営業アプローチに移行します。
- 共通点・相乗効果
- いずれもインテントデータを活用するが、フォーカスするフェーズが異なる
- マーケ施策で温度を高めたリードを、セールスが最適なタイミングでクロージングに持ち込むことで、全体のパイプライン効率が向上する
インテントセールスに特化した国内主要サービス
ウルテク
- 提供企業:ログリー株式会社
- 概要
インテントマーケティングでも紹介したURUTEQは、セールス部門向けにリアルタイム通知や優先度スコアリングを備えている点が特徴です。サイト訪問企業や検索行動の情報を「いま熱量が高い順」に並べ、Slackやメール、CRMと連動してアラートを飛ばせるため、逃しがちな顧客に迅速にアプローチできる体制を構築できます。
- セールス支援機能の例
- リアルタイムアラート:自社名や製品名、競合名での検索を捉えて担当者へ即通知
- 自動リスト生成:購買意欲の高い企業のみを抽出し、優先順位の高いリストを作成
- 料金
- 月額15万円~(従量課金制、半年契約~)
- 15日間の無料トライアルあり
Sales Marker(セールスマーカー)
- 提供企業:株式会社Sales Marker
- 概要
インテントデータを用いた国内初のセールス特化SaaSとして登場したサービス。独自の「セールスシグナル®」により、企業が検索エンジンを使った瞬間のキーワードをリアルタイム検知できるため、「いま具体的に課題を調べ始めた企業」を逃さず発見できます。
- 主な機能
- 検索キーワードリアルタイム検知:自社業界や製品名、競合名など、あらかじめ登録したキーワードを検索した企業を即座にリストアップ
- キーマン情報提供:企業データベースと連動し、該当企業の担当部署や意思決済者の連絡先を照会
- スコアリングと優先度付け:競合比較サイトやレビューサイトの閲覧状況も加味し、ニーズの高さを数値化
- 料金
ユーソナー(uSonar)
- 提供企業:ユーソナー株式会社
- 概要
約820万拠点の企業データベース「LBC」を基盤に、営業リスト作成から商談クローズまでを統合管理できるソリューション。インテントデータを組み合わせて「いま有望度の高い企業」をスコアリングし、大量の企業・拠点情報の中から最優先ターゲットを高速に選定できるのが特徴です。
- 特徴的な機能
- Rating2.0(見込み度スコアリング):自社保有データや外部インテントデータを掛け合わせ、受注確度が高い企業を算出
- 組織図作成(将棋名刺):取り込んだ名刺情報から自動で組織図を生成し、キーマンを一目で把握
- CRM/SFA/MAとの連携:社内データの自動クレンジングや最新化を行い、常に精度の高い営業リストを維持
- 料金
infobox(インフォボックス)
- 提供企業:株式会社インフォボックス
- 概要
独自のリサーチデータとWeb上のインテント情報を統合して、「企業がいまどんな課題を抱えているか」を多角的に分析する営業支援プラットフォーム。市場リサーチからターゲット企業リスト作成、決裁者アプローチのための連絡先情報提供まで、一連の流れを一気通貫で実行できます。
- 主な機能
- 独自調査データの活用:Web上で取得できないオフライン情報や非公開情報を独自に収集・蓄積
- 企業リストの精緻化:過去の受注企業データと照合しながら、成約見込みの高い企業群を絞り込む
- 営業ツール連携:CRMやSFAへ企業情報を自動登録し、営業効率を高める
- 料金
- ユーザー数無制限のサブスク形式
- 詳細は問い合わせベース
SalesNow(セールスナウ)
- 提供企業:株式会社SalesNow
- 概要
日本全国の企業データ約544万社を収録し、それぞれの企業に紐づく担当者情報や動向データを参照できるセールス支援ツールです。独自の「SalesNowスコア」によって、興味を示している分野や業界ニュースとの関連性など、多角的に企業の優先度を算出し、高スコアの企業から効率的にアプローチできます。
- 主な機能
- 全国企業データベース:上場・非上場を問わず、企業基本情報と担当者連絡先を網羅
- SalesNowスコア:公開情報やWeb行動、ニュースリリースなどの要素を加味して数値化
- 外部ツール連携:SalesforceやHubSpotなどのCRMと連携し、最新企業データを自動で取り込める
- 料金
- 要問い合わせ(利用モジュールやオプションにより変動)
Select DMP(セレクトDMP)
- 提供企業:株式会社インティメート・マージャー
- 概要
同社が保有する月間50億件以上のWeb行動データを解析し、「顕在化しつつあるニーズ」をリアルタイム検知するBtoB向けDMP。ABM(アカウントベースドマーケティング)やインサイドセールスの現場で活用が進んでおり、検知した企業の業種・規模に合わせて効果的なアプローチ手段を提案できる仕組みを備えています。
- 主な機能
- リアルタイムニーズ顕在化検知:登録キーワードや製品カテゴリに合致する検索・閲覧行動を捉え、即時に企業リストを生成
- 企業・部署情報の付加:ターゲット企業の部署単位で連絡先を取得可能
- 広告配信との連携:同社の広告配信サービスと組み合わせることで、検知企業へのディスプレイ広告やリターゲティングを行う
- 料金
- 要問い合わせ(利用するデータ量やモジュールによって変動)
Speeda(スピーダ)
- 提供企業:株式会社ユーザベース
- 概要
市場・企業分析プラットフォームとして知られるSpeedaが、BtoB IT製品のレビュープラットフォーム「ITreview」のデータを連携し、ITソリューションやSaaS製品に興味を示す企業リストを抽出できるようにした拡張機能を提供しています。もともと備わっていた企業データベース「FORCAS」と組み合わせることで、高度なABMを実現します。
- 主な機能
- ITreview連携:特定カテゴリーのIT製品レビューを閲覧している企業や比較検討中の企業を抽出
- FORCASとの統合分析:企業属性・業界動向データとインテントデータを掛け合わせて精度高いターゲティング
- 競合製品への関心把握:自社製品だけでなく、競合製品のレビュー・比較ページを閲覧した企業情報も取得可能
- 料金
- 法人契約(年契約サブスク)、具体的価格は要問い合わせ
ITreview(アイティレビュー)
- 提供企業:アイティクラウド株式会社
- 概要
国内最大級のBtoB向けIT製品レビューサイトで、ユーザー企業からのリアルな利用感想・評価を12万件以上掲載。ベンダー企業は自社製品ページを開設して、レビューを集めたり資料請求を受け付けたりすることができ、“製品を検討している企業”を直接獲得できるのが最大の利点です。
さらに、インテントデータとして「どの企業がどの製品カテゴリに関心を示しているか」を取得するサービスを提供し、見込み企業リストの作成や営業への連携を可能にします。
- 主な機能
- リード獲得:ITreview上に掲載した製品ページから資料請求や問い合わせを直接取得
- インテントデータレポート:自社製品ページや関連カテゴリーを閲覧した企業リストを週次・月次などでレポート受領
- レビュー活用:顧客満足度や機能評価を可視化し、マーケティングメッセージにフィードバック
- 料金
- 月額20万円程度からのプランあり(掲載内容や機能に応じて変動)
インテントマーケ×インテントセールスの融合と導入のポイント
成果を最大化する鍵は、インテントマーケティングとインテントセールスを分断せず、一連のパイプラインとしてつなぐことです。マーケが潜在顧客の興味関心を早期に捉えて見込み度を高め、セールスが購買意欲の顕在化したタイミングでクロージングに持ち込む——この連携で、リード育成から商談化までの効率を最大化できます。
- マーケとセールスの融合:マーケは認知〜検討の見込み度を高め、セールスは顕在化したタイミングで受注率を上げる。両者を組み合わせ、パイプライン全体の効率を最大化する。
- 導入検討のポイント:自社の商材・ターゲットに合うデータソースと機能を見極め、既存のMA/CRM/SFAとの連携要件を事前に確認。まずは無料トライアルや小規模PoCで効果を検証し、部門横断で合意形成する。
- 今後のトレンド:インテントデータの収集元が多様化し(SNS・オンラインイベント・コミュニティ等)、AI・機械学習の高度化でニーズ予測の精度が向上。一方でデータプライバシーへの配慮が一層重要になる。
FAQ:インテントマーケティング・インテントセールスのよくある質問
インテントマーケティングとインテントセールスの違いは何ですか?
担うフェーズが違います。インテントマーケティングは認知〜検討段階の潜在顧客をコンテンツや広告で育成する施策、インテントセールスは購買意図が顕在化した相手へ営業が直接アプローチする手法です。両者は同じインテントデータを使いますが、フォーカスする購買フェーズが異なります。
どちらから始めるべきですか?
自社の課題によります。リード数はあるが商談化が弱い場合はインテントセールスから、そもそも見込み顧客の母数や検討初期の接点が不足している場合はインテントマーケティングから着手すると効果が出やすいです。最終的には両者を連携させるのが理想です。
インテントマーケ・セールスはABMやBGMとどう関係しますか?
ABM(企業単位)やBGM(購買グループ単位)で狙う相手を定義し、インテントデータでその相手の検討状況を捉えるという関係です。詳しくは
Buying Group Marketing(BGM)とはや
ICP(理想的な顧客プロフィール)とはもあわせてご覧ください。
ツールはどう選べばよいですか?
「マーケ寄りか/セールス寄りか」「自社サイトの行動を見たいか/外部検索行動まで見たいか」「予算と既存ツール連携」で選びます。ツール単位の比較は
インテントデータ活用ツール4選や
インテントセールスおすすめツール比較10選が参考になります。
小規模なBtoB企業でも導入できますか?
できます。月額数万円から始められる自社サイト来訪企業の可視化ツールもあり、まずは「自社サイトに来ている企業と関心」を捉えるスモールスタートが現実的です。効果を見ながら外部インテントや営業連携へ広げるのがおすすめです。
まとめ:インテントは「育てるマーケ」と「刈り取るセールス」で活きる
- インテントマーケティングは見込み度を育てる施策。認知〜検討段階の潜在顧客を、行動データに基づくコンテンツ・広告で育成します。
- インテントセールスは顕在化を刈り取る手法。購買意図が高まった相手へ最適なタイミングで直接アプローチし、商談化・受注率を高めます。
- 両者の連携でパイプライン効率が最大化する。同じインテントデータを軸にマーケとセールスをつなぐことが、2026年のBtoB成果の分かれ目です。
ウルテクが提供する価値
『ウルテク(URUTEQ)』は、自社サイトの行動と外部の検索・閲覧行動をAIで解析し、インテントマーケティングとインテントセールスの両方を1つの基盤で支えるアカウントインテリジェンスツールです。潜在顧客の可視化(マーケ)と、購買意欲が高まった企業へのリアルタイム通知(セールス)を両立し、マーケから営業までをシームレスにつなぎます。タグを設置するだけで利用を開始できます。